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相続コラム

第182回相続コラム 意外と知らない葬儀後にもらえる葬祭費・埋葬料

前回のコラムでは、葬儀費用と相続税の関係について解説しました。今回のコラムでは、葬儀に関連して、意外と知らない葬儀後にもらえる葬祭費・埋葬料について解説したいと思います。

 

葬祭費・埋葬料とは

日本では、いわゆる『国民皆保険制度』を採用しているため、すべての国民は、なんらかの公的医療保険(健康保険)に加入していることになります。

健康保険に加入している方が亡くなり、その葬儀や埋葬が執り行われると、葬祭費・埋葬料と呼ばれる公的な給付金を受け取ることができます。

葬祭費や埋葬料を受け取ることができるのは、葬儀や埋葬を行ったご家族等になります。亡くなった故人宛に支給されるものではないので注意が必要です。

 

葬祭費と埋葬料の違い

 

加入している保険の違い

亡くなった方が国民健康保険や後期高齢者医療制度に加入していた場合に支払われる給付金は「葬祭費」になります。亡くなった方が会社員等で健康保険・組合健保等に加入していた場合に支払われる給付金は「埋葬料(または埋葬費)」になります。

亡くなった方が加入していた公的医療保険の種類によって支払われる給付金が異なるということです。

 

支給額が異なる

支払われる給付金によって、支給額が異なります。

健康保険に加入していた方が対象の「埋葬料」は定額5万円が支給されます。

「葬祭費」は支給する各自治体によって額が異なりますが、一般的には3万円~7万円程度となります。例えば、当事務所のある札幌市では3万円が支給されます。

参考:札幌市ホームページ
https://www.city.sapporo.jp/hoken-iryo/kokuho/sosai.html

 

葬祭費と埋葬料の申請方法

 

葬祭費の申請方法

 

埋葬料(埋葬費)の申請方法

 

葬祭費と埋葬料の注意事項

「葬祭費」は葬儀の際にかかった費用に対して支払われ、「埋葬料」は埋葬にかかった費用に対して支払われます。どちらの給付金も、故人が亡くなったこと自体について給付されるのではなく、葬儀や埋葬にかかった費用に対して支払われる点で共通しています。ですので、実際に葬儀や埋葬を行っていない場合には、申請することはできません。

また、通常、葬儀と埋葬は一体として行われることから、両者の違いをあまり意識する必要はありませんが、“直葬(火葬のみ)”の場合には注意が必要です。

「埋葬料」を受け取る場合には、「埋葬料」には霊柩車代、火葬代、僧侶への謝礼などを含むことから、特に問題はありませんが、「葬祭費」を受け取る場合には、通常、「葬祭費」とは、通夜や告別式に要する費用と考えられるところ、火葬のみを執り行う直葬の場合には、自治体によっては「葬祭費」が支給されないことがあります。自治体ごとに取り扱いが異なりますので、申請する各自治体の窓口で確認することが大切です。

 

おわりに

今回のコラムでは、葬儀に関連して、意外と知らない葬儀後にもらえる葬祭費・埋葬料について解説しましたが、いかがだったでしょうか。

ご家族の方が亡くなると、葬儀や法要に追われ、また、精神的にも余裕がない状況になることがほとんどです。いざという時のために、事前に相続に関する知識や葬儀等に関わる手続きについて知っておくことは大切です。

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