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相続コラム

第21回相続コラム 財産を渡したくない相手がいる場合に相続権を奪う相続人の廃除とはどんな制度か

いくらご自身の家族であっても、自分への虐待や侮辱行為があった場合に、遺産を譲りたくないという心情になることもあるのではないでしょうか。今回のコラムでは、相続財産を譲り渡したくない者がいる場合に、その者の相続権を奪う相続人の廃除について解説したいと思います。

 

相続人の廃除とは

相続人の廃除とは、暴力や虐待を受けている等の場合に、相続人が持っている相続権を剥奪する制度のことです。相続人の廃除が行われると、推定相続人=相続人になる予定の者の相続権が法的に否定され、被相続人の遺産を一切相続することができなくなります。

廃除によって相続権を失うのは、廃除された推定相続人本人に限ります。例えば、被相続人の子が廃除されたとしても、廃除された者の子である被相続人の孫は相続権を失いませんので、孫は代襲相続という形で遺産を相続することができます。

また、相続権を失うのは、廃除を申し立て被相続人との関係で相続権が失われるだけで、一切誰からも相続を受けることができないようになるわけではありません。

 

相続人の廃除の方法

相続人の廃除するためには、家庭裁判所に申し立てる必要があり、次の2通りの方法があります。

1.被相続人が生前に自分で家庭裁判所に相続人廃除の申立をする
2.遺言書で相続人を廃除する

遺言書で相続人の廃除をする際には、遺言書の効力が発生する時点では、被相続人は自分で手続を行うことはできないので、代わりに手続きを行う遺言執行者という者を遺言で選任する必要があります。また、その際に、誰の相続権を、どんな理由で廃除するのかを示しておく必要もあります。

 

相続人の廃除の対象者

相続人の廃除の対象になるのは、

1.被相続人の配偶者
2.被相続人の子や孫などの直系卑属
3.被相続人の父母や祖父母などの直系尊属
になります。

被相続人の兄弟姉妹も推定相続人になりえますが、兄弟姉妹はそもそも遺留分を有しないので、遺産を譲り渡したくない場合には、遺言書で他の物に財産を譲り渡してしまえば足りるので、相続人の廃除の対象にはなりません。

遺留分とは、一定の範囲の相続人に認められている、法律により最低限保証された遺産の取り分のことを言います。遺留分が認められる者は、仮に遺言などによって、一切相続ができなかったとしても、遺留分という最低限保証された範囲で遺産を受け取ることができます。

 

相続人廃除が認められる場合

相続人廃除は、相続権を奪うという重大な行為なため、法律で定められた要件を満たさないと認められません。単に「あいつは嫌いだから財産は渡さない」というような理由では廃除は認められません。

相続人の廃除が認められるためには、以下の要件を満たす必要があります。

●被相続人に対して虐待を行った
●被相続人に対して重大な侮辱を加えた
●推定相続人にその他著しい非行があった

被相続人に対して、殴る蹴るなどの暴力を加える場合や、介護が必要にも関わらず適切な介護を行わないのも虐待にあたる可能性があります。

 

相続人の廃除は弁護士に相談する

相続人の廃除を行う場合には、弁護士に相談することをおすすめします。
廃除の手続きは家庭裁判所に申し立てる必要があるので、様々な法的な書類を作成する必要があるのはもちろんなのですが、実は、相続人の廃除は、一般的に認められずらい傾向にあるため、家庭裁判所を説得するために、相続人廃除の要件を満たしていることを具体的に主張する必要があるからです。

裁判例の中には、被相続人に暴力を働いたケースでも、その暴力、喧嘩の原因が双方にあるとして、廃除が認められなかったケースもあります。

当事務所は、様々な相続案件を扱っており、相続人廃除の手続きに関しても、そのために必要な要件を満たしているか否かを精査し、家庭裁判所に申し立てを認めさせるために説得力のある法的書面を作成いたします。無料相談も実施しておりますので、相続人廃除を検討されている方は、お気軽にご相談ください。

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