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相続コラム

第202回相続コラム 法定相続人とは誰か|相続人の範囲と順位を解説

親が亡くなったとき、あるいは配偶者が亡くなったとき、「誰が相続人になるのか」「自分は相続できるのか」と不安になる方も多いのではないでしょうか。また、相続人が多くて全員を把握できていなかったり、疎遠になっている親族がいたりすると、遺産分割を進める上で困ってしまうこともあるかもしれません。

法律では、誰が相続人になるかが明確に定められていますが、家族構成によってその範囲は大きく変わります。相続人の範囲を間違えてしまうと、後になって遺産分割のやり直しが必要になったり、思わぬトラブルに発展する可能性もあります。

今回のコラムでは、「法定相続人とは誰か」について、相続人の範囲と順位をわかりやすく解説します。ご自身の状況と照らし合わせながら、相続人を正しく把握する一助としていただければ幸いです。

法定相続人とは

法律で定められた相続人

法定相続人とは、民法によって相続する権利を持つと定められている人のことです。亡くなった方(被相続人)の遺言がない場合、この法定相続人が遺産を受け取ることになります。遺言がある場合でも、法定相続人には遺留分という最低限の取り分が保障されているケースがあるため、誰が法定相続人に該当するのかを把握することは大変重要です。

法定相続人になれるのは、配偶者と一定の血族です。ただし、血族には順位があり、先順位の人がいる場合、後順位の人は相続人にはなりません。このルールを理解していないと、「自分は相続人だと思っていたのに実は違った」「知らない親族が相続人だった」といった事態になる可能性があります。

配偶者は常に相続人になる

被相続人の配偶者は、常に相続人になります。ここでいう配偶者とは、法律上の婚姻関係にある夫または妻のことです。内縁関係や事実婚の場合は、たとえ長年連れ添っていたとしても、法定相続人にはなりませんので注意が必要です。

配偶者は他の相続人と並んで相続する権利を持ち、その組み合わせによって相続分が変わってきます。例えば、配偶者と子が相続人の場合、配偶者と親が相続人の場合、配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合では、それぞれ相続割合が異なります。

血族相続人の順位

第一順位:子(直系卑属)

血族の中で最も優先されるのが、被相続人の子です。子がいる場合、子が第一順位の相続人となり、配偶者と子で遺産を分けることになります。この場合の法定相続分は、配偶者が2分の1、子が2分の1となり、子が複数いる場合は子の相続分を均等に分けます。

注意が必要なのは、実子だけでなく養子も法律上は同じ「子」として扱われる点です。また、婚姻関係にない男女の間に生まれた子(非嫡出子)であっても、認知されていれば相続人となります。さらに、被相続人より先に子が亡くなっている場合は、その子(被相続人の孫)が代わりに相続する「代襲相続」が発生します。

札幌をはじめ北海道では、広い土地を所有している方も多く、相続人が多数になると土地の分割や共有が複雑になるケースも見られます。子が複数いる場合は、早めに話し合いの場を持つことが望ましいでしょう。

第二順位:直系尊属(父母・祖父母)

被相続人に子がいない場合、または子が全員相続放棄をした場合などには、第二順位である直系尊属が相続人になります。直系尊属とは、父母、祖父母など、被相続人より前の世代の直系の親族のことです。

この場合の法定相続分は、配偶者が3分の2、直系尊属が3分の1となります。父母がともに健在であれば、父母で3分の1を均等に分けることになります。父母がすでに亡くなっている場合は、祖父母が相続人となりますが、より親等が近い者が優先されるルールです。

実務では、被相続人が若くして亡くなった場合や、子どものいない夫婦で一方が亡くなった場合などに、この第二順位の相続が問題になることが多いと感じています。

第三順位:兄弟姉妹

子も直系尊属もいない場合に、初めて被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。これが第三順位です。配偶者と兄弟姉妹が相続人となる場合、法定相続分は配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1となります。

兄弟姉妹の場合も、既に亡くなっている兄弟姉妹がいれば、その子(被相続人の甥・姪)が代襲相続します。ただし、兄弟姉妹の代襲相続は一代限りで、甥・姪が亡くなっていてもその子は相続人にはなりません。

また、兄弟姉妹には遺留分がないため、遺言によって全財産を他の人に譲ることも可能です。疎遠になっている兄弟姉妹がいる場合など、遺言の活用も検討する価値があるかもしれません。

法定相続人を調べる方法

戸籍謄本の取得が必要

法定相続人を正確に確定するためには、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍謄本を取得する必要があります。これによって、被相続人の婚姻歴や子の有無、養子縁組の有無などを確認することができます。

 

思わぬ相続人が判明することも

戸籍を調べる過程で、家族も知らなかった相続人が判明することがあります。例えば、前婚での子の存在や、認知された子がいたケースなどです。このような場合、突然知らされた相続人との関係構築や、遺産分割協議の進め方に悩まれる方も多いのではないでしょうか。

また、相続人の中に行方不明者や認知症の方がいる場合、通常の遺産分割協議を進めることができません。家庭裁判所での手続きが必要になる可能性がありますので、早めに専門家に相談されることをおすすめします。

相続人確定で注意すべきポイント

相続欠格・廃除に該当する場合

法定相続人に該当していても、相続する権利を失うケースがあります。一つは「相続欠格」といって、被相続人を殺害したり、遺言を偽造・変造したりした場合など、法律で定められた重大な事由がある場合です。

もう一つは「廃除」で、被相続人に対する虐待や重大な侮辱があった場合などに、被相続人の意思に基づいて家庭裁判所が相続権を剥奪することができる制度です。これらに該当する相続人がいる場合は、相続人の範囲が変わってくる可能性があります。

相続放棄があった場合の影響

相続人が相続放棄をした場合、その人は初めから相続人でなかったものとして扱われます。ただし、相続放棄には期限があり、原則として「自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所で手続きをする必要があります。

第一順位の相続人全員が相続放棄をすると、第二順位の人に相続権が移ります。このように、相続放棄によって思わぬ人が相続人になることもありますので、放棄を検討する際は全体への影響も考慮する必要があるでしょう。

おわりに

法定相続人の範囲と順位は、一見シンプルに見えますが、実際の家族関係は複雑で、個別の事情によって判断が難しいケースも少なくありません。相続人の確定を誤ったまま遺産分割を進めてしまうと、後々大きなトラブルに発展する可能性もあります。

特に、疎遠な親族がいる場合や、家族構成が複雑な場合、戸籍の収集に時間がかかりそうな場合などは、早い段階で弁護士に相談することで、スムーズな相続手続きにつながることが多いと感じています。相続は誰にでも訪れる問題ですが、一人で抱え込む必要はありません。

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