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相続コラム

第147回相続コラム 令和6年3月1日より戸籍の広域交付制度がスタートしました。

本日、令和6年3月1日より戸籍の広域交付制度がスタートしました。相続に関する手続きを行う際には、戸籍謄本等の収集がほぼ必須と言えますが、この戸籍謄本等の収集は、意外と手間のかかる作業です。本日施行された戸籍の広域交付制度により、戸籍謄本等の収集が、より効率的に行うことができるようになりました。今回のコラムでは、本日スタートした、戸籍の広域交付制度について解説したいと思います。

 

従来の戸籍収集

法務局で相続登記を申請したり、金融機関で故人名義の預金の払戻しをする等の相続手続きを進める際には、被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等の提出を要求されるのが一般的です。

そして、戸籍は市区町村単位で別々に管理されているため、婚姻、離婚、転籍、養子縁組等により本籍地が別の市区町村に移動したことのある場合には、それぞれ別の市区町村に戸籍を請求し、戸籍を収集することになります。

例えば、出生時は、本籍地が沖縄県那覇市にあり、親の離婚により、新しく本籍地が大阪市になり、自身の結婚により本籍地が東京都渋谷区になり、仕事の異動で札幌勤務になり、その際に本籍地を札幌市に転籍したという人が亡くなった場合には、その人の出生から死亡までの戸籍謄本等を収集するには、那覇市、大阪市、渋谷区、札幌市のそれぞれの役場で戸籍謄本を請求しなければなりません。

もちろん、郵送等で戸籍を請求することもできるのですが、それでも全ての戸籍を遡って収集することは、非常に手間がかかり、また、時間を要する作業でした。

 

戸籍の広域交付制度とは

令和6年3月1日に施行された戸籍の広域交付制度により、最寄の市区町村役場の窓口から、本籍地が遠方にある場合でも、欲しい戸籍を請求することができるようになりました。

また、欲しい戸籍の本籍地が全国各地にある場合でも、最寄の市区町村窓口1箇所でまとめて請求することもできます。

先程挙げた例で言うと、札幌市の窓口で、那覇市、大阪市、渋谷区、札幌市を本籍地とする戸籍謄本をまとめて請求することができるということです。

 

広域交付制度による請求

広域交付制度により、交付請求できるのは、本人、配偶者、直系尊属(父母や祖父母)、直系卑属(子や孫)の戸籍謄本になります。

兄弟姉妹の戸籍謄本を広域交付制度により請求することはできません。兄弟姉妹の戸籍謄本が必要な場合には、通常通り、本籍地のある市区町村役場に郵送等により請求することになります。

また、戸籍謄本の広域交付制度は、ITインフラに基く戸籍情報連携システムによって実現されています。ですので、戸籍情報がそもそも電子化されていない一部の戸籍は、広域交付制度により交付申請することはできません。

参考:法務省ホームページ
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji04_00082.html

なお、上記参考サイト等では、「戸籍証明書」という言葉がでてきますが、呼び方が違うだけで「戸籍証明書(全部事項証明書)」と「戸籍謄本」は同じものです。※戸籍事務がコンピュータ化されている市区町村では、「戸籍証明書」と呼びますが、コンピュータ化されていない市区町村では、「戸籍謄本」と呼びます。

また、広域交付制度を利用する際には、直接最寄の市区町村役場の窓口で交付請求する必要があります。郵送で請求することはできません。窓口では、本人確認のために、顔写真付きの身分証明書が必要となります。

参考:札幌市ホームページ
https://www.city.sapporo.jp/shimin/koseki/shomei/koseki_kouikikouhu.html

 

おわりに

今回のコラムでは、本日スタートした、戸籍の広域交付制度について解説しましたが、いかがだったでしょうか。相続手続きでほぼ必須となる戸籍収集の際には、是非活用したいところです。

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