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相続コラム

第200回相続コラム 相続と離婚|離婚した元配偶者は相続人になるか

「離婚した元夫が亡くなったという連絡を受けたけれど、私は相続人になるのだろうか」「再婚した配偶者が亡くなったが、前妻や前夫も相続に関わってくるのか」このような疑問を抱いている方もいらっしゃるのではないでしょうか。人生の中で離婚を経験される方は決して少なくなく、その後の相続場面において、元配偶者との関係がどうなるのか不安に感じている方も多いかもしれません。

結論から申し上げますと、離婚した元配偶者は原則として相続人にはなりません。しかし、元配偶者との間に子どもがいる場合や、元配偶者が既に亡くなっている場合など、状況によっては間接的に相続に関わってくることもあります。また、再婚した配偶者が亡くなった際に、前婚の子どもと後婚の配偶者や子どもが共同相続人となるケースもあり、複雑な関係性が生じることも少なくありません。

今回のコラムでは、離婚と相続の関係について、元配偶者は相続人になるのか、離婚によって相続関係はどう変わるのか、注意すべきポイントは何かなどについて、わかりやすく解説します。

離婚した元配偶者は相続人になるか

配偶者の相続権は離婚によって消滅する

民法では、被相続人(亡くなった方)の配偶者は常に相続人になると定められています。しかし、ここでいう「配偶者」とは、被相続人が亡くなった時点で法律上の婚姻関係にある配偶者を指します。したがって、離婚によって婚姻関係が解消された元配偶者は、相続人としての地位を失うことになります。

たとえば、元夫が亡くなった場合、離婚した元妻には相続権はありません。元夫が再婚していれば、その再婚相手が配偶者として相続人になります。再婚していなければ、配偶者としての相続人は存在しないことになり、子どもや親などの血族相続人が相続することになります。長年連れ添った後に離婚したとしても、また離婚後も友好的な関係を保っていたとしても、法律上の相続権が認められることはないという点には注意が必要です。

内縁関係や事実婚の場合

同様に、法律上の婚姻届を提出していない内縁関係や事実婚のパートナーについても、原則として相続権は認められません。たとえ何十年も一緒に暮らしていたとしても、婚姻届が提出されていなければ、法定相続人にはならないのです。

ただし、内縁のパートナーが特別縁故者として、相続人が誰もいない場合に財産の分与を受けられる可能性はあります。また、遺言によって財産を遺贈することも可能ですので、このようなケースでは生前の対策が重要になってくると言えるでしょう。

元配偶者との子どもの相続権

子どもの相続権は離婚によって影響を受けない

元配偶者自身には相続権がありませんが、元配偶者との間に子どもがいる場合、その子どもの相続権は離婚によって何ら影響を受けません。親が離婚しても、親子関係は法律上も継続するからです。

たとえば、元夫と元妻の間に子どもが二人いて、元夫が再婚して新しい配偶者との間にも子どもが一人生まれた場合を考えてみましょう。元夫が亡くなると、再婚相手である現在の配偶者と、三人の子ども全員が相続人となります。前妻との間の二人の子どもも、後妻との間の一人の子どもも、等しく相続人としての権利を持つことになります。

未成年の子どもがいる場合の注意点

元配偶者との間の子どもが未成年の場合、遺産分割協議には法定代理人の参加が必要になります。通常は親権者である親が法定代理人となりますが、その親も相続人である場合には利益相反となるため、特別代理人を家庭裁判所に選任してもらう必要があります。

このような場合、元配偶者が親権者として手続きに関わってくることもあり、離婚後も相続手続きにおいて元配偶者と間接的に関わりを持たざるを得ない状況が生じる可能性があります。特に札幌などの都市部では、離婚後も同じ地域に住み続けるケースも多く、こうした状況は決して珍しくありません。

離婚と相続で注意すべきポイント

再婚家庭における相続トラブル

離婚と再婚が関わる相続では、前婚の子どもと後婚の配偶者・子どもとの間でトラブルになるケースが少なくありません。前婚の子どもは親の死亡まで長年疎遠だったということもあり、突然相続の場面で権利を主張されて驚かれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、前妻の子どもと後妻との間で感情的な対立が生じることもあります。お互いに面識がなかったり、亡くなった方への思い入れの違いがあったりすると、遺産分割協議が難航する可能性があります。このような場合には、中立的な第三者である弁護士が間に入ることで、冷静な話し合いが可能になることも多いと言えます。

生前にできる対策

複雑な家族関係がある場合、生前に遺言書を作成しておくことが有効な対策となります。遺言によって、誰にどの財産を相続させるかを明確にしておくことで、相続人間のトラブルを予防できる可能性が高まります。

ただし、遺言を作成する場合でも、遺留分(法定相続人に最低限保障される相続分)には注意が必要です。特定の相続人に全財産を相続させるような内容にすると、他の相続人から遺留分侵害額請求をされる可能性があります。バランスを考えた内容にすることが、後のトラブル防止につながると考えられます。

財産分与と相続の違い

離婚の際の財産分与と、死亡時の相続は全く別の制度であることも理解しておく必要があります。離婚時に財産分与を受けていたとしても、元配偶者の死亡時に相続権があるわけではありません。逆に、離婚時に財産分与を十分に受けられなかったとしても、そのことを理由に相続権が発生することもありません。

ただし、元配偶者との間の子どもについては、離婚時の財産分与とは別に、相続権を有することになります。親の離婚という出来事と、親の死亡による相続は、法律上別個の問題として扱われるということです。

おわりに

離婚した元配偶者は相続人にはなりませんが、元配偶者との間の子どもは相続人となるため、相続手続きにおいて元配偶者と間接的に関わりを持つ場面も出てくる可能性があります。また、再婚家庭では前婚の子どもと後婚の家族が共同相続人となることもあり、複雑な関係性の中で遺産分割を進めなければならないこともあります。

このような複雑な相続関係においては、法律の専門家である弁護士のサポートが有効です。相続人の範囲の確定から、遺産分割協議の進め方、トラブルが生じた場合の対応まで、状況に応じた適切なアドバイスを受けることができます。特に感情的な対立が生じやすい離婚が絡む相続では、第三者である弁護士が介入することで、冷静かつスムーズな解決につながることも多いのではないでしょうか。

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