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相続コラム

第183回相続コラム 相続の際に知っておきたい生命保険契約照会制度について

相続対策や、万が一に備えて生命保険に加入している方もいらっしゃるかと思います。しかし、せっかく加入された生命保険も、被相続人が突然亡くなってしまったり、認知能力が低下してしまったりすることにより、相続人などの受取人が保険契約の存在に気づくことができず、受け取れるはずの保険金を受け取れないケースも少なくありません。

今回のコラムでは、被相続人が契約していた生命保険を調査するのに便利な生命保険契約照会制度について解説したいと思います。

 

生命保険契約照会制度とは

生命保険の保険金を受け取るためには、保険会社の方から、勝手にお金を振り込んでくれるわけではありませんので、受取人が保険会社に対して請求をしなければなりません。

しかし、保険金を請求しようにも、契約者が受取人に保険契約の存在を伝えていなかった場合には、どこの保険会社に保険金を請求すべきか不明ですし、そもそも保険の存在自体を知らなかった場合には、保険金を請求するという発想すら思い浮かばないかもしれません。

そこで、残されたご家族の方が生命保険契約の手がかりがなくて困らないように、被相続人が契約していた生命保険契約の有無を照会できるようにしたのが「生命保険契約照会制度」となります。生命保険契約照会制は生命保険協会によって創設されたもので、令和3年7月からスタートした比較的新しい制度となります。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、東日本大震災の発生以降、被災により生命保険契約の有無を確認する手かがりを失い、保険金の請求が困難になった方からの生命保険契約の有無の照会に応じる「災害地域生保契約照会制度」というものが創設されました。

今回のコラムで解説している生命保険契約照会制度は、高齢化社会に対応するために、災害時だけではなく、平時でも、保険契約の有無を照会できるようにその対象を広げたものになります。

 

生命保険契約照会制度のポイント

 

一括で照会可能

生命保険契約照会制度が創設される前は、保険契約の有無を確認するためには、各保険会社に個別に問い合わせる必要があったため多くの手間と時間がかかりました。それに対して、生命保険契約照会制度を利用すると、生命保険協会を窓口にして、加盟している全保険会社に一括して契約の有無を確認することができますので、照会にかかる労力を大幅に削減できます。

 

平時にも照会可能

災害時だけではなく、平時にも、照会対象者が死亡した場合や照会対象者の認知判断能力が低下した場合に保険契約の有無を照会できます。

 

生命保険契約照会制度の利用方法

 

申請対象

生命保険契約照会制度は、保険契約者または被保険者が次のような状態になった場合に利用できます。

■平時において死亡した場合
■平時において認知判断能力が低下した場合
■災害によって死亡もしくは行方不明になった場合

 

申請者

個人情報保護の観点から、誰でも自由に照会できるわけではなく、一定の者に限って照会を申請することができます。

例えば、照会対象者が死亡している場合には、法定相続人や遺言執行者などが照会可能であり、照会対象者の認知判断能力が低下している場合には、照会対象者の法定代理人、任意後見制度に基づく任意代理人、照会対象者の3親等内の親族などが照会できます。

 

申請方法

申請は郵送またはオンラインで可能です。

郵送で申請する場合には、まずは、生命保険協会のホームページ上の申込みフォームにて、必要情報を入力の上、申請書を郵送してもらいます。郵送されてきた申請書に必要事項を記載の上、必要書類を同封し、照会制度事務局宛に送付することにより申請が行えます。

オンラインで申請する場合には、生命保険協会ホームページから、契約照会システムに移行し、ユーザ登録を行います。ユーザ登録後、マイページから申請書をダウンロードし、必要事項を入力の上、必要書類と合わせてシステム上にアップロードすることで申請が行えます。

 

申請費用

平時に生命保険契約照会制度を利用する場合には、照会1件につき¥3,000の費用が必要となります。なお、災害時に照会制度を利用する場合は無料となります。

参考:生命保険協会HP
https://www.seiho.or.jp/contact/inquiry/

 

おわりに

今回のコラムでは、被相続人が契約していた生命保険を調査するのに便利な生命保険契約照会制度について解説しましたがいかがだったでしょうか。

ご家族の方が亡くなると、葬儀や法要に追われ、精神的にも余裕がない状況になることがほとんどです。そのような状況下で、あるのかないのか不明な生命保険契約について、保険会社各社に個別に照会を申請するのは現実的ではありません。一括して照会可能な生命保険契約照会制度を知っておくと、いざという時に、手間と時間を省き、精神的な余裕を持つことにつながります。

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