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相続コラム

第48回相続コラム 遺産分割協議はいつまでに行うのか?その期限について解説

相続手続きに欠かせない遺産分割協議。遺産分割協議は、いつまでに行う必要があるのか。今回のコラムでは、気になる遺産分割協議の期限について解説したいと思います。

 

遺産分割協議の必要性

相続人全員で、誰がどの遺産をどのくらい相続するのか、遺産の分け方を決める協議のことを、遺産分割協議といいます。

相続が発生すると、亡くなった方の遺産は、相続人に受け継がれることになりますが、遺言がなければ、具体的に誰がどの財産を相続するのか不明なため、遺産分割協議によって分配する必要があります。

ただ、遺産分割協議をしなかったとしても、法律的には、故人の遺産は、相続発生時に自動的に「相続人の共有財産」となっているため、必ず遺産分割協議をしなければならないという決まりはありません。

もちろん、遺産分割協議を行わないと、遺産は抽象的な「相続人の共有財産」となっているため、そのままでは、遺産を処分したり、利用することが難しいため、現実的には、どこかのタイミングで、しっかりと「誰が何を受け継のか」を決める必要がでてきます。また、長期間、遺産分割協議を行わずに放置すると、その間に相続が複数回発生し(数次相続)、協議に必要な相続人の数が膨れ上がり、収集がつかなくなったりするおそれがあります。

遺産分割協議について詳しくは
第38回相続コラム 基本から解説する遺産分割協議とは何か」をご覧下さい。

 

遺産分割協議の期限

遺産分割協議は、法律上、強制されているものではないため、実は、遺産分割協議自体についての期限はありません。

ただし、遺産分割協議は、様々な相続に関する手続きの前提となる手続きなため、その手続きを進行する都合上、事実上、期限が設けられるような格好になることがあります。

 

相続税の申告と遺産分割協議

相続税を納付する必要のある場合には、相続の発生を知ったときから10ヶ月以内に申告し、納付しなければなりません。申告期限内に申告をしないと、無申告加算税や延滞税が課されてしまう危険性があります。

相続税の申告の際に、遺産分割協議で成立した内容に基いて申告すると、「配偶者控除の特例」や「小規模宅地の特例」など相続税額を低くする特例が利用可能なため、大きな負担となる相続税を節約するためには、事実上、相続税の申告前に、遺産分割協議を成立させる必要があります。

その意味では、相続税の納付が必要なケースでは、事実上、遺産分割協議は、相続発生後10ヶ月以内に行う必要があります。

どうしても遺産分割協議が早期にまとまらない場合には、特別な手続きを踏んだ上で、一度相続税を納付し、後に還付を受けるという方法もありますが、手続きが煩雑になったり、一旦は高額な相続税を納付することになるため、そのための原資が必要になったりと、デメリットが多くなります。

 

相続登記の義務化と遺産分割協議

2021年4月21日に成立した改正法により、不動産の名義変更である相続登記が義務化されます。改正法の施行は2024年4月を目処とされています。改正法施行後は、相続登記を怠ると罰則の適用もあります。

相続登記の義務化についての法律が施行されると、相続が発生し、不動産の所有権を取得したことを知ったときから3年以内に不動産の名義変更である相続登記を申請する必要があります。

仮に、遺産分割協議を行わなかったとしても、故人の不動産は、相続人間の共有財産となっているので、相続登記に関しても、法定相続分通りの共有財産として名義変更することは可能です。

しかし、一度、法定相続分通りの共有財産として名義変更を行い、遺産分割協議後に、その協議で成立した内容で再度名義変更を行うのは、登記には登録免許税等の負担がかかるため、手間もお金も二重にかかってしまいます。

そのため、相続登記にかかるお金や手間を減らすためには、相続登記の申請期間である、相続発生後3年以内に、遺産分割協議をするのが望ましいと言えます。仮に、遺産分割協議に時間を要するという場合には、新設された「相続人申告登記」という制度を利用し、一度、相続登記義務化による罰則の適用を回避し、遺産分割協議成立後に、あらためて正式な相続登記を申請するという流れになります。

相続登記の義務化について詳しくは
第11回相続コラム 弁護士が語る相続登記の義務化(令和3年4月21日)」をご覧ください。

 

遺産分割協議の期限で迷ったら弁護士へ相談

ご自身の相続で、遺産分割協議を行う必要があるのか、必要があるとして、いつまでに行うのが適切か、判断に迷った際には弁護士に相談することをオススメします。

遺産の状況や対処すべき法的問題によっては、協議すべき内容自体の精査も必要となるため、相続問題に詳しい弁護士に相談するのが、トータルで必要となるコストを下げ、円滑に遺産整理を進めることにつながります。また、寄与分や特別受益を踏まえた遺産分割協議が必要となるケースでは、それらの主張は10年可能ですが、実際に年数が経過してしまうと、証拠が散逸し、事実上、主張が難しくなってしまうケースもあります。

当事務所では、相続問題、遺産分割協議に関する数多くの案件に携わってきた弁護士が、無料相談を実施しております。早めの相談が早期解決につながりますので、お悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。

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