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相続コラム

第135回相続コラム 相続税対策を考える際に知っておきたい二次相続とは何か

相続税をいかに節約するかという相続税対策は、大きな関心事のひとつではないでしょうか。この相続税対策を考える際には、二次相続を考慮した対策を行うということが重要であり、二次相続を一切考慮せずに対策を行うと、納付すべき相続税が増えてしまう危険性もあります。今回のコラムでは、相続税対策の基本、二次相続とは何かについて解説したいと思います。

 

二次相続とは何か

父・母・子という典型的な家族を例に二次相続を解説しますと、例えば、父が亡くなると、その相続人は母と子になります。この母と子が相続人となる一度目の相続を『一次相続』と言います。その後、母も亡くなると、その相続人は子となります。この子が相続人となる二度目の相続を『二次相続』と言います。

相続という制度の性質上、上の世代が有していた遺産は、最終的には下の世代へと受け継がれることになりますが、両親が何からの事故に巻き込まれて同時に亡くなるというようなことがない限り、親の遺産は、一次相続と二次相続の2回の相続を経て、子に全て受け継がれることになります。

つまり、最終的に子世代に受け継がせる遺産を最大化させるためには、一次相続だけではなく二次相続も考慮する必要があるということになります。

また、二次相続が発生した際には、一般的に、一次相続税よりも相続税が増えてしまう傾向にありますので、その意味でも二次相続を見据えた相続対策が重要となります。

 

なぜ二次相続時に相続税が増えるのか

二次相続時に相続税が増えてしまうことが多いため、二次相続を意識した相続税対策が重要なのですが、なぜ二次相続時に相続税が増えてしまうのでしょうか。

 

法定相続人の人数が減る

相続税を計算する際には、基礎控除が認められており、その計算式は「3,000万円+(法定相続人の数×600万円)」となっています。つまり、法定相続人が1人減ると、600万円分の基礎控除額が減ってしまうため、法定相続人の人数が減っている二次相続時には控除額が減少します。

また、死亡保険金や死亡退職金についても、それぞれ法定相続人1人あたり500万円の非課税限度額が設けられています。こちらについても、二次相続時には法定相続人の人数が減っているため、控除額が少なくなってしまいます。

 

配偶者控除が使えない

配偶者が相続する際には、配偶者控除と呼ばれる、特別な控除が認められています。具体的には、配偶者の相続した遺産が、1億6,000万円以内もしくは法定相続分の範囲内であれば相続税は課税されないという非常に大きな控除枠があるのです。

一次相続時には、この配偶者控除を使うことができるため、大きく節税が可能ですが、二次相続時には使えないため、相続税の負担が大きくなるのです。

例えば、一次相続の相続財産が1億6,000万円で、この全ての財産を配偶者が相続した場合、相続税は発生しません。しかし、二次相続になると配偶者が相続した財産にさらに配偶者固有の財産が加えられたものを遺産として子が相続することになり、その合計額に対して相続税が課税されます。特に、相続税は、遺産の額が大きくなればなるほどその税率が上がるため、課税される額が飛躍的に大きくなりますので、注意が必要です。

上記のようなケースでは、二次相続時の税負担を軽減するために、一次相続時に子もある程度遺産を相続していた方が、トータルでみると相続税は安くなるのが通常です。

 

配偶者にも資産がある場合に遺産が増える

一昔前は、「父が働き、母は専業主婦」というような価値観もありましたが、女性の社会進出が進み、共働きが一般的となりつつある現在では、父も母もそれぞれ固有の財産があるというケースが増加することが予想されます。

そうすると、一次相続時に父の遺産を母が相続し、二次相続時には、父の遺産に母の遺産を合算した遺産全てを子が相続するということになり、二次相続時の遺産額の方がむしろ多くなるという可能性があります。

 

小規模宅地の特例の適用条件が異なる

事業用または居住用に使っていた宅地等を、最大で80%評価減できる「小規模宅地の特例」という制度があります。宅地は一般的に価値の高い財産であるため、その評価額を80%も減少させることができるこの制度は、大きな節税効果が見込めます。

この「小規模宅地の特例」は、配偶者であれば、ほぼ無条件で適用を受けることが可能ですが、それ以外の親族が適用を受けるためには条件が厳しくなります。

つまり、一次相続時には、ほぼ無条件で適用可能だった特例も、二次相続時には、前もって対策を講じておかなければ、適用を受けられない可能性が高くなります。

 

おわりに

今回のコラムでは、相続税対策の基本、二次相続とは何かについて解説しましたが、いかがだったでしょうか。二次相続時には、相続税が増えてしまうことが多いため、相続税がなぜ増えるのかを踏まえた上で、一次相続・二次相続時の納税額のシュミレーションを行い、効果的な対策を講じる必要があります。

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