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相続コラム

第36回相続コラム 孫や甥・姪が相続人になる代襲相続とは

前回のコラムでは、法定相続人について解説しましたが、今回のコラムでは、一歩先に進んで代襲相続という特殊な相続のケースを解説したいと思います。社会が高齢化する中で、子が親よりも先に亡くなるということも珍しくなくりつつあるため、代襲相続が絡むケースも増加すると思われます。

 

代襲相続とは

代襲相続とは、被相続人が死亡した時点において、本来相続人となるはずであった者が既に死亡するなどしていた場合に、その者の子が代わって相続する制度のことをいいます。

例えば、被相続人が亡くなった際に、本来、その相続人となるはずであった被相続人の子は既に亡くなっていた場合、孫が子に変わって相続するというのが代襲相続です。

 

代襲相続が発生する場合には、相続の順位の変動はない

前回のコラムで解説していますが、相続人には順位があります。例えば、被相続人の両親は第二順位の相続人なため、被相続人に第一順位の相続人である子がいない場合にのみ相続人となりますが、仮に被相続人に子がいなかったとしても、孫がいる場合には、代襲相続により孫が相続人となるため、次順位の相続人は相続することはありません。

直系尊属や兄弟姉妹は、被相続人にお子さんと代襲相続人がいない場合にのみ相続人となるということです。

 

代襲相続はどこまで起こるのか

兄弟姉妹が相続人の場合には、代襲は1代までですが、子が相続人となる場合には、何代でも代襲が起こります。

例えば、被相続人の子も孫も、被相続人が亡くなる前に既に他界していたが、ひ孫がいるという場合には、そのひ孫が代襲相続により相続人となります。

しかし、例えば、被相続人には、子がおらず、また両親も他界しており、身内は甥のみという場合、その甥は代襲相続により相続人となりますが、仮にその甥も被相続人より先に亡くなっていた場合、甥の子が相続人になるのかというと、兄弟姉妹が相続人の場合には代襲は1代までなので、甥の子は相続人にはなりません。

 

代襲相続は相続欠格や廃除でも発生する

相続人が死亡していなかったとしても、相続人たる資格を失う相続欠格事由があったり、相続人として廃除されていたような場合にも、代襲相続が発生します。

例えば、ドラマや映画でありそうなケースですが、遺産目当てに被相続人を殺害しようとした者は、相続欠格により相続人たる資格を失いますが、その者の子(被相続人から見ると孫)は、何ら犯罪行為に加担していないのならば、相続人たる資格を失う理由はないため、代襲が発生し相続人となります。

相続人廃除について詳しくは「第21回相続コラム 財産を渡したくない相手がいる場合に相続権を奪う相続人の廃除とはどんな制度か」をご覧下さい。
相続欠格について詳しくは「第22回相続コラム 相続権を失ってしまう相続欠格とは何か?相続人の廃除との違いについても解説」をご覧ください。

 

相続放棄の際には、代襲相続は起こらない

被相続人が亡くなり、その子が相続を放棄したとしても、孫が代襲相続をすることはありません。

相続を放棄すると、放棄したものは「はじめから相続人ではなかったことになるので」、相続人ではない者の子が代襲相続するということはありえないからです。

また、実際問題、相続を放棄するということは、一般的に多額の負債等を相続したくないがために行うので、代襲相続が起こらない方が手続き的にも煩雑にならなくて済みます。

 

おわりに

今回のコラムでは代襲相続について解説しましたが、いかがだったでしょうか。相続人が誰であるかを確定することは、相続に関する手続きや遺産分割協議を行う前提となるため、非常に大切となります。家族関係が複雑で誰が相続人になるのかわからない等でお困りの方は、お気軽に当事務所までご相談ください。

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